所沢まち歩き

ゴールデンウィークのある晴れた一日、所沢のまち歩きイベントに参加した。 所沢市中心市街地活性化の拠点になっている野老澤町造商店(ところさわまちづくりしょうてん:通称まちぞう)を起点に、旧市街地をずっと歩いてくるというイベントだ。明治15年開業…

ゴーストライター

米軍通信基地沿いの道は、冬枯れの中をなだらかにカーブを描きながらミューズ(所沢市民文化センター)へと続く。 プレイヤーに入れっぱなしになっているハリー・ポッターのサウンドトラックCDのせいか、フロントウィンドウ越しの景色がまるでスコットランド…

夜風と選挙と自転車

「今から来れない?」 妻からメールが届く。 ちょうど市長選の投開票の日だった。知人の選挙事務所を手伝っている妻は、夕食の後そろそろ最初の速報が出る頃だと言って出かけて行ったのだった。 しかし開票は少し遅れているらしい。手持ち無沙汰になった妻は…

夏が逝く

雨に濡れたキャンプ場は、さながら廃墟のようだった。 ぼくは傘をさし、(昨晩はせせらぎだった)濁流のほとりで廃墟の風景を見ている。 今朝早くに降りだした雨は、気がつくとシートを透し、眠っているぼくたちの背中に染みとおりはじめていた。 テントの張…

あらためてメモ機能付マウスパッド

かつて同じタイトルでこの製品?を紹介したが、ちゃんとした市販品を買うことにした。 赤外線マウスの反応度はちょっと、という声も一部にあったので送料を払ってまで買うのは・・・と躊躇していたのだが、先日東急ハンズに行く機会があったので買ってきた。…

12モンキーズ

地下鉄の改札を通り抜けようとしてふと見ると、地上に向かう階段を、母親に手を引かれ登る小さな男の子がいた。 まだ歩きはじめたばかりだろうか。一段一段のぼる姿が健気に見えるのは、それが男の子だとよけいにそう思えるのは、大人になった姿とのギャップ…

生命はなぜ生まれたのか

生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る (幻冬舎新書) 高井 研 幻冬舎 2011-01 売り上げランキング : 7940Amazonで詳しく見る by G-Tools 生命とは何か。 この不思議な存在を、神という言葉を使わずに解き明かすことは可能だろうか。 それはずっと…

はじまりの日

今から思えば、それはある意味ではじまりに過ぎなかった。 ■大地震 3月11日午後2時46分。ガタガタと会議室の机が揺れはじめる。 クライアント筋でもある某通信キャリアの担当者が、ちょうどキャンペーン商品の説明をしている最中のことだ。 いつものようにす…

スマートフォン・ブーム

暮れにauのスマートフォンIS03を買った。IS03それまでスマートフォンは2年前に買ったwillcom03を使っていたので、03から03に乗り換えたという訳だ(メーカーはどちらもシャープ)。willcom03気持ちとしては「やっと」という感じだ。 au回線を家族契約してい…

物流企業アマゾン

潜入ルポ アマゾン・ドット・コム (朝日文庫)作者: 横田増生出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/12/07メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 74回この商品を含むブログ (15件) を見る 世の中はIT、ITと持てはやすが、どこまで行ってもITは手段・手法に…

財布をめぐる冒険(番外編)

前のエントリー「財布をめぐる冒険」(id:moaii:20110103)では書ききれなかった商品をいくつか。 下の商品は、札と小銭入れを別々に携帯していた頃にカード入れとして使っていた商品だ。 マネークリップとしても使えるので、小銭入れを別に持つ方にはこれも…

財布をめぐる冒険

今度は財布を買い換えた。 以前は小銭入れだけで、札は無造作にポケットに突っ込んでいたのだが、ケータイとスマートフォンを二台持ちするようになって、ポケットの数が足りなくなった(笑)。 最初に買ったのは、ノーマディックのこの財布。 電車に乗ったり…

使いやすいデイパックを求めて

仕事の技術からはすこしハズレるが、通勤グッズについて語ろう。 最近は通勤にデイパックを使っている。 以前はいわゆるビジネスバッグを使っていたのだが、疲れてくると帰り道などバッグを肩に引っ掛けて持っていることが多い。どうせ肩にかけるのなら最初…

"冷たい校舎の時は止まる"再読

辻村深月の短編集「ロードムービー」が新書版で出た。 ロードムービー (講談社ノベルス)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/09/07メディア: 新書 クリック: 13回この商品を含むブログ (14件) を見る この作品は、デビュー作「冷たい校舎の時…

個客代理人9--もう広告もプロモーションもいらない?

■個客代理人 たとえば、クルマを買うときぼくたちは新車ディーラーに行く。中古車でよければ中古車ディーラーに行くし、修理や整備が必要なら修理工場に持っていく。一時的にクルマが必要になればレンタカーを借りる。 それぞれの業態がみな(空港に入ってい…

名前探しの放課後

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/09/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (38件) を見る 名前探しの放課後(下) (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: …

個客代理人8--もう広告もプロモーションもいらない?

■所有価値から使用価値へ カーシェアに節約の道 維持管理コストを軽く 会員同士が自動車を共有して自家用車のように使うカーシェアリング。節約志向が続く中で、低コストに着目した利用者が増えている。低燃費車の購入を促すエコカー補助金制度の終了もあり…

個客代理人7--もう広告もプロモーションもいらない?

■空の旅とリーン思考 たとえば、とウォーマックとジョーンズは言う。 休暇を海外で過ごすため、ぼくたちは2時間も前に空港に行き、チェックインカウンターに並ぶ。手荷物検査と身体チェックでゲートを何度もくぐり直しさせられ、出国審査で足止めを食い、搭…

個客代理人6--もう広告もプロモーションもいらない?

■リーン・エンタープライズ 「リーンエンタープライズ」とは何か。 ウォーマックとジョーンズは、その核心を(価値の定義、価値の小川、流れ、プル、完全性という)5つの原則に整理している。詳細は原典をあたっていただきたいが、そのポイントを大胆に要約…

個客代理人5--もう広告もプロモーションもいらない?

■リーン思考の誕生 1980年代の後半、米国のナショナルプロジェクトで世界の自動車産業を研究したジェームズ・ウォーマックとダニエル・ジョーンズは、トヨタの工場の生産性の高さに着目した。彼らの研究はやがて「リーン(=贅肉を削ぎとった、ムダのない)…

個客代理人4--もう広告もプロモーションもいらない?

■プロモーションはなぜ必要なのか いずれの例でも、問われているのは「プロモーション」の意義だ。 そもそもぼくたちは何故プロモーションを必要としているのだろうか。 一般に、プロモーションの目的は「周知促進」と「需要喚起」だ。市場投入時にいかに商…

個客代理人3--もう広告もプロモーションもいらない?

■行列とコンビニ弁当 行列は、「客を待たせる」だけでなく、欠品の原因にもなりやすい。 およそ製造業と流通業にとって、ビジネスとは需要と供給の間に生じる不均衡との闘いと言っても過言ではない。需要の不確実性とどう闘い、それをどれだけ最小化できるか…

個客代理人2--もう広告もプロモーションもいらない?

■行列のできるバーガーショップ マックで行列と言えば、2008年暮れのクォーターパウンダー発売の際に、大阪でサクラを使って行列を演出したという事件があった(マクドナルドはこのとき自身が持つ一日当たり店舗売上の最高記録を更新したのだった)。 ネット…

個客代理人--もう広告もプロモーションもいらない?

■序章 2009年夏のある日。マックのドアを開けたらすごいことになっていた。 「マックでDS」企画の第一弾で、「まぼろしのポケモン」がマックの店舗でダウンロードできるというキャンペーンが、その週末からはじまっていたのだ。 家の近所のマックでかつて…

真夏の光の降りそそぐ場所で

明日の朝食に食べるリンゴを買いに、「5分で戻るわ」と出かけた彼女は、それっきり帰ってこなかった。 ジャンプ (光文社文庫)作者: 佐藤正午出版社/メーカー: 光文社発売日: 2002/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (61件) を見…

パソコンに貼るミニカレンダー

カレンダーが必要になるシチュエーションは多い。来週の金曜日は何日か、来月の1日は何曜日か・・・。 会議中であればシステム手帳にはさんであるダイアリーのページを繰る。歩いているときならケータイのスケジューラを開く。では、パソコンに向かっている…

世界を救うことは可能か

タイムスリップをめぐる出会いと別離。その物語はいつも読む者に切ない感情を呼び起こす。 それは、現代――交通手段と通信手段が著しく発達し、空間を隔てるということがもはや絶対的な障壁ではなくなった――において、今なお容易に(絶対に!?)越えることので…

砂漠に降る雨

(デザートガーデンズホテルの中庭) 1. ランドリールーム 夕暮れのエアーズロック。 ホテルのフロントで教えてもらったランドリールームは、ぼくたちが泊まっている部屋からずいぶん離れたところにあった。 敷地の中に点在する宿泊棟の間を抜けてランドリー…

時間を失くした交差点

昼休み。信号待ちの交差点。 見るともなしに立ち並ぶ建築群を見上げながら、ぼくはふと考える。 今は会社の昼休みで、ぼくは用件を済ませるために銀行に行き、その帰り道でこうして信号を待っている。 それらの事象をひとつながりの文脈に織り上げているのは…

のだめカンタービレ再び

久しぶりにドラマ「のだめカンタービレ」(日本篇)を見直した。 あらためて感じたのは、映像表現におけるその光線の使い方の独特なうまさだ。 第一話のオープニング、舞台はプラハ。ドボルザーク「チェコ組曲」の弦の調べに乗せて駆ける、少年の日の千秋。…