2009-01-01から1年間の記事一覧

真夏の光の降りそそぐ場所で

明日の朝食に食べるリンゴを買いに、「5分で戻るわ」と出かけた彼女は、それっきり帰ってこなかった。 ジャンプ (光文社文庫)作者: 佐藤正午出版社/メーカー: 光文社発売日: 2002/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (61件) を見…

パソコンに貼るミニカレンダー

カレンダーが必要になるシチュエーションは多い。来週の金曜日は何日か、来月の1日は何曜日か・・・。 会議中であればシステム手帳にはさんであるダイアリーのページを繰る。歩いているときならケータイのスケジューラを開く。では、パソコンに向かっている…

世界を救うことは可能か

タイムスリップをめぐる出会いと別離。その物語はいつも読む者に切ない感情を呼び起こす。 それは、現代――交通手段と通信手段が著しく発達し、空間を隔てるということがもはや絶対的な障壁ではなくなった――において、今なお容易に(絶対に!?)越えることので…

砂漠に降る雨

(デザートガーデンズホテルの中庭) 1. ランドリールーム 夕暮れのエアーズロック。 ホテルのフロントで教えてもらったランドリールームは、ぼくたちが泊まっている部屋からずいぶん離れたところにあった。 敷地の中に点在する宿泊棟の間を抜けてランドリー…

時間を失くした交差点

昼休み。信号待ちの交差点。 見るともなしに立ち並ぶ建築群を見上げながら、ぼくはふと考える。 今は会社の昼休みで、ぼくは用件を済ませるために銀行に行き、その帰り道でこうして信号を待っている。 それらの事象をひとつながりの文脈に織り上げているのは…

のだめカンタービレ再び

久しぶりにドラマ「のだめカンタービレ」(日本篇)を見直した。 あらためて感じたのは、映像表現におけるその光線の使い方の独特なうまさだ。 第一話のオープニング、舞台はプラハ。ドボルザーク「チェコ組曲」の弦の調べに乗せて駆ける、少年の日の千秋。…