2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「こむ」創刊秘話

大学2年の夏。 東京ではじと〜っと肌にまつわりついてくる暑さが、瀬戸内海沿岸のこの町では直接に肌を焼くように迫ってくる。 夏休みで帰省中のぼくは、FやTと県庁通りをぶらぶら歩いている。Tが言う。 「例の話、どうなんだよ」 「え?」 「ほら、この間の…

行動を評価するということ

「成果」を出す主体が個人からチームへと移りつつある中で、会社における評価が難しくなりつつある。 評価の対象はあいかわらず個人であるのに(ボーナスや昇格の査定のことを考えるとこの点は今後も変わらないだろう)、成果の主体はチームであるという訳だ…

夜空とタバコの煙

大学に入って最初に住んだアパートには洗濯機がなかったから(二番目も三番目もなかったが^^;)、週末は歩いて5分くらいのコインランドリーに通った。 戻ってまた来るのも面倒なので、洗濯が終わるまでの時間は煙草を吸いながらつぶした。 住んでいたのは津…

消えてゆく個人と評価

「個人」というものがやがて消滅していく運命にあるとしたら、いわゆる「評価」という奴はどう変わっていくのだろう。 評価は企業でも学校でも行われているが、その対象は基本的に「個人」であると考えられる。 「個人」は、評価を与えられることによってま…

本と個人主義

毎度同じような話で恐縮だが、本というものも決して最小単位とは言えない。 ぼくたちは「本」を問題にし、「著者」を問題にする。 だが、実際にはキーワードやセンテンスによって本は別の本とつながっているし、何よりも本は外の世界とつながっている。 表紙…

牢獄の壁を破るには

「自分という牢獄」という話を以前に書いた。 人はみな「自分」という牢獄に住み、そこから出ようとして出られず苦しむのだと。 しかし、その牢獄もまた「構造」にすぎないのだと考えてみれば、そびえ立つ壁も堅固なものではなくなってくる。 自分という牢獄…

満員電車を満たす旋律

車窓の外を流れていく風景を眺めながら、音楽を聴いている。 イヤホンから旋律が流れはじめると、人でいっぱいの車内に風が吹きはじめる。 耐えられないほどだった喉の渇きが急速に消えていく。 音楽がぼくたちを捉えるのは、そこに「生」のエッセンスが詰め…

システムのせいにするな

■手の届かないシステムという発想 今日もどこかで、誰かと誰かの間で問題が起こる。 そんな時、ぼくたちは目の前にいる当の相手と話し合わず、問題をシステムに委ねようとすることがある。 これはシステムの問題だ。システムに問題があるからこんなトラブル…

制度とは正義とは

いささか乱暴だが、制度と正義には似たところがある。 どちらをめぐる議論も、「絶対」をめぐる議論であるという点において。 そして、どちらも「絶対はない」という事実をなかなか受け入れない点において。 現代思想とトヨタ生産方式が、まったく異なるアプ…

通知表の価値とは

あるサイトで、学校の通知表とその存在価値、評価の客観性をめぐる議論があった。 そこでも書いたことだが、重要な論点を含んでいるので、ここに再掲する。 評価をめぐる言説においていつも気になるのは、視点をあまりにも「個」にフォーカスしすぎてはいな…