反・人権・宣言3

「個人の創造力」ということはもう十分すぎるくらい語られてきた。むしろ「社会の創造力」ということが、そろそろ語られていい頃だ。 「社会の創造力」の典型は映画やオーケストラだろう。 そこには監督や指揮者といった全体をまとめる立場の人はいるものの…

反・人権・宣言2

人権は一般に「人間が生まれながらにして有している権利」と解釈される。 しかし、この概念にはさまざまな観点から疑問符がつく。 まず、人権の概念はホッブズのいう「自然権」に由来している。 自然権とは、原初の「万人による闘争」状態の中で個々人が好き…

反・人権・宣言1

よく「創造性のある人間を育てなければ」という言説を聞く。 しかし、これは次のように読み替えられるべきだ。 「創造性のある社会を育てなければ」と。 ミシェル・フーコーは「人間はやがて波打ち際の砂のように消え去るであろう」と言った。 そこで言及さ…

広報おおっ

「広報おおつ」 広告を募集 【京都新聞 2007/05/29 朝刊】 大津市は、市の広報誌「広報おおつ」に、企業などの広告を有料で掲載することを決め、募集を始める。 広告は、裏表紙の下部に掲載する。 広報「おおっ」かと思った^^; また思い切った名前の広報…

マウンド上での会話

久しぶりに西武ドームあらためグッドウィルドームで野球観戦。 2位ロッテと3位西武のゴールデンウィーク決戦は超満員だった。 途中、西武のピッチャーがまったくストライクが入らなくなった時があった。3者連続四球で、ノーアウト満塁。たまりかねてキャッチ…

毎朝駅に向かう途中の風景

ここを通る度、新婚旅行で行ったケアンズを思い出す。ただそれだけなんですけど^^;

不二家事件と権力の相貌

前のエントリーで悪戦苦闘(笑)しているうちに、不二家事件があった。 まったくひどい事件には違いないのだが、ここは不二家事件をめぐってどんな権力が働いているのかについて考えてみたい。 朝のテレビで、不二家事件の関係者(?)にインタビューしてい…

学ばれない教訓

もう昨年の暮れの話になるが、ある日の「ニュース23」の特集テーマは「学ばれない教訓」だった。 いじめが元で娘が自殺してしまった父親のその後の活動を追いながら、いじめによる自殺が相次ぐ現在を告発しようというのがその趣旨だった。 問題意識に満ちた…

同窓会と格差社会

中学の同窓会があった話はもう書いた。 実を言うと、それは中学の閉校記念の同窓会だったのだ。 田舎の過疎地の話ではない。地方都市とは言え市の中心部、下町の話だ。 住宅の郊外化は地方都市でもどんどん進んでいるようで、母校の中学も近年はすっかり生徒…

帰省して

中学の同窓会があって、久しぶりに四国に帰省した。 妻子とともに実家近くの駅まで行き、母親に出て来てもらってお茶をした。 翌日の同窓会に出席するぼくは、そのまま九州の妻の実家に向かう妻子を駅で見送り、母親と二人で実家に戻った。 家に帰ると、親父…

2007年版手帳ミックスその5

次の課題は、ToDoをどうやって管理するかだ。 持ち歩くノートを一冊に絞りこんだ今となっては、ToDoを専用のノートで持ち歩く余裕はない(笑)。 そもそも、前回も述べたようにToDoを一冊のノートで集約管理する必要性はまったくない。終わったToDoを見る必…

2007年版手帳ミックスその4

前回説明した議事録シートの使い方。 シートに記入して終わったらプロジェクト毎に作ってあるクリアファイル(会議にも持ち歩いている)に放り込んでおく。 その際、議事録とその他の雑多な資料とを分けて管理したいものだ。そのためにぼくは仕分けポケット…

2007年版手帳ミックスその3

いろんなノートを見つけては試しているうちに、会議に持ち歩くモノが何だかやたらと増えてきた(笑)。 ハイタイドのスケジュール手帳 タイムシステムのミーティングブック 無印のToDoノート デルフォニクスのA5サイズビニールカバー デルフォニクスのビニー…

2007年版手帳ミックスその2

インターネットで、議事録専用ノートというのを見つけた。 ヒマ・コーポレーションが出しているタイムシステムのミーティングブックだ。 ちょうど会議を運営する機会が増えていて、議事録をどうとったら効率的かということを考えている最中だったので、なか…

2007年版手帳ミックスその1

クリエのカバーがとれてしまった。 ブログ執筆のメインが携帯となってから使用頻度が下がり気味だったクリエだが、これで完全に使わなくなってしまった。 カバーの取れたクリエ(TH55)はかなりみすぼらしい。必然的にカバンの中に入れっぱなしで取り出さな…

のだめマーケティング

先日、昼休みに弁当を買おうと思ってファミマに入ったら、「のだめ麻婆煮込み野菜丼」があったのでさっそく買ってみた(笑)。 ちょっと辛めの味付けで、味としてはまずまずというところだった。 のだめ(のだめカンタービレ)のマーケティングミックスはど…

亡国のイージス

ちょっと前に録画していた「亡国のイージス」をやっと見た。 小説版に比べると、時間的制約の問題がやはり大きく、描き切れなかった部分が多いのは致し方ないところだろう。分厚い上下巻の、相当に読み応えのある本が原作であるのだから、まあ無理もない。 …

文化が教育にもたらすもの

頭のよい子が育つ家作者: 四十万靖,渡辺朗子出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2006/08/10メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 367回この商品を含むブログ (32件) を見る この本によると、「できる子どもは、子ども部屋では勉強しない」らしい。 むしろでき…

郵便屋さんのいる風景

東野圭吾は、どこにでもいる平凡な人を描くのがうまい、という話をちょっと前に書いた。 彼の小説を読んでいると、フツーの人が何だかやたらと魅力的に見えてくるのだ。 そこには、村上勉(佐藤さとるなど童話作家の挿し絵をよく描いている)の絵にも通じる…

ToDoノート

ToDoを管理するいい方法がなくて困っている人は多いのではないだろうか。 そういうぼくもPDAを使ってみたり、OutlookのToDo機能を使ってみたり、ダイアリーに付箋を貼ってみたりといろいろ試しているが、これという決定打が見つからない。 しばらく前に無印…

メモ機能付マウスパッド

パソコンを使いながらメモを取りたくなることはしばしばある。 パソコンで作業中に電話がかかってきたような場合だ。 パソコンに向かっているのだからパソコンにメモればいいようなものだが、わざわざデジタルで取っておくまでもないようなことも多いし、何…

上司の正面に立つな

ふと見ると、ある若手社員が上司に呼ばれて、何やらガミガミ言われてうなだれている。 「バカだなぁ」と思う。 こういう時、間違っても上司の正面に立ってはいけない。 「ちょっと来い」と言われて、相手の正面に行く。その顔を見ながら相手は小言を言いはじ…

東野圭吾「秘密」

秘密 (文春文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2001/05メディア: 文庫購入: 30人 クリック: 219回この商品を含むブログ (405件) を見る 広末涼子主演で映画にもなったので、ご存知の方も多いことだろう。 東野圭吾を読みはじめて数ヶ月た…

卒業式などにおける国歌国旗問題

卒業式などにおける国歌斉唱・国旗掲揚の問題にはもともと争点が2つある。 ひとつは、判決文にある以下のくだり。 ・・・原告ら教職員は,「教育をつかさどる者」として,生徒に対して,一般的に言って,国旗掲揚,国歌斉唱に関する指導を行う義務を負うも…

遠くの何とかより...

午後いっぱい発注先(子会社なんだけど)の人と打合せをすることになっていた。 けっこう重要な打合せだ。 午後会議室に行くと、その人は現れず、伝令がやって来て「社長に呼ばれて行っちゃいました」と言う。 「へっ?」 社長に呼ばれて、はいいんですけど…

5. クラシック

そんな日々の中で、ぼくたちが息抜きのように通った店、それが「クラシック」だ。 JR中野駅を北口に出て、サンモールを抜け、ブロードウェイにはいる直前のわき道を左に折れると、その店はある。 ずいぶんくたびれた感じのドアを押すと、店内はいきなり真っ…

4. 麻雀とAKIRAと哲学書

その部屋でぼくたちはいつも麻雀をやっていた。 面子は奴の大学の同級生や奴と同じ下宿の住人だったりした。 しかし、そういつも面子が揃うわけもないので、やがてぼくたちは二人麻雀のルールを確立する。一定数の牌を最初に取りよけてしまうのだ。 これでい…

3. さかさまの二段ベッド

大学にはいって、ぼくたちは生まれ育った地方都市から東京に出てきた。 どこでどう道を誤ったか奴はやがて演劇をはじめ、それとともになんだか急速に哲学的になっていった。 ある日奴の部屋に行ってみると、二段ベッドが置いてある。 捨ててあったのを拾って…

2. 出会い

大学時代。 ぼくらは同じ中野区の、歩いて20分くらいのところに住んでいた。 授業に行かない日の昼間(それはつまり毎日ということだが)や飲み会のない日の夜(こちらは逆に滅多にない)など、ぼくらはしょっちゅうつるんでいた。 東中野から大久保通りを歩…

1. 自室にて

午後10時。部屋のドアを誰かが叩く。 開けると、薄暗い廊下に奴が立っている。 「土産、持って来たぜ」 紙袋を差し出しながら、ぼそっと言う。 「はいれよ」 心地よい静寂を破られた腹いせに、少しだけ無愛想にぼくはそう言うと、さっさと元の位置に腰をおろ…